人気ブログランキング | 話題のタグを見る

↑(スルメになった管理人) ・管理人について ・HN ブタの写真Ⅹ ・一言 ただの人間には興味ありません。この中にレゴファン、SWファン、超能力者がいたら私のブログに来なさい!


by butanosyasinx
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

「暗黒和妖」・糸垂らし

「暗黒和妖」・糸垂らし_f0014356_20541888.jpg

夏祭りの帰り、少年は、まだ小学生になりたての妹の手をつないで家へと歩いていた。
すでに日は落ちてあたりは暗かったが、一定の間隔で建っている電灯が夜道を照らしてくれた。

「お祭り、楽しかったね」

華やかなピンクの浴衣を着た妹が、無邪気に少年の顔を見上げる。

「うん」

妹と色違いの青い浴衣を着た少年が、うちわを扇ぎながら応える。

少年が、ふと顔を上げてみると、大きな蔵の前を通り過ぎようとしていた。
その時だった。妹が「ねぇ、あそこから変な音がしてない?」と、不安げな顔をして蔵の方を指さした。

「えっ?」

少年は耳を澄ましてみた。
最初は何も聞こえなかったが、やがて蔵の中から

コツコツ、コツコツ

と、音が聞こえてくるのに気付いた。

なんだろう?

好奇心に負けて、少年はゆっくりと蔵の戸に手をかけた。
ふると、ふだん鍵の掛かっているはずの戸がスッと開いた。

泥棒かな?

少年は、そう思って少し身構えた。

「お兄ちゃん……」

後ろから震えた声がした。

「大丈夫、すぐ戻るから。お前はタトで待っときな」

少年はわざと明るい声を出して妹をなだめた。

蔵の中は静寂に包まれていて、泥棒の「ど」の字もなかった。
その時、ふと床に目をやると何かが落ちているのを見つけた。

仮面だ。

真っ黒で、眉間に細い傷跡のついた仮面。
その不気味な仮面に少年は少し寒気を感じたが、それとは裏腹に少年の腕はいつの間にか仮面へと伸びていた。

まるで仮面に取り憑かれたようだ。
背後で「お兄ちゃん……」と、細い声がするのも耳に入らない。
蔵の天井にへばり付き、暗がりに身を潜めていた化け物が、仮面に結びつけた糸をたぐり寄せている事にも気づかずに、ただ一心に仮面を握っていた。

「お兄ちゃん……」

恐怖でその場に凍り付いていた妹は、天井の暗がりに吸い込まれていく少年を、ただ見ているしかなかった。

もちろん、彼女の後ろに笠をかぶった、もう一人の影がいるとも知らずに。
「暗黒和妖」・糸垂らし_f0014356_21583593.jpg

スイマセン、いくらなんでもストーリー長すぎますね^^;
すでに作品紹介の域を超えてるし。

という事で、今回は、前回紹介した「妖狐」と同じシリーズを組む、「糸垂らし」です。
これは、「妖狐」を作った後に、他にも日本の妖怪っぽいのを作ってみたいな~と思っていた矢先に思いついた作品です。
「暗黒和妖」・糸垂らし_f0014356_229489.jpg

今回の作品の工夫点の一つである頭。
「暗黒和妖」・糸垂らし_f0014356_22113740.jpg

最初は↑のようにトックのマスクを裏返した顔にしようと思ったんですが、やっぱり一度使ったネタだったのでやめました。
代わりにマスクの中で一番不気味(?)なザグタンのマスクを使いました。
「暗黒和妖」・糸垂らし_f0014356_2214632.jpg

最後に狩り(?)の図です。
なんか雰囲気出てませんか?(何

では。。。
by butanosyasinx | 2007-06-07 22:16 | バイオニクル